ELCASを実施しました!

高校生のための体験型科学講座ELCASに本研究室も参加し、3日間にわたる実験、講義を実施しました!

参加してくれた高校生のみなさん、ありがとうございました!

まず1日目はパルプ繊維を分散させた懸濁液を網で抄いて紙を製作する「抄紙」を行いました。

叩解(こうかい)と呼ばれるパルプ繊維をほぐす条件を変更することで、抄いた紙の特性がどのように変化するかを学んでもらいました。紙の講義では紙の定義や紙に求められる性質などを学習しました。

2日目には前日に作製した紙の力学特性の試験および電子顕微鏡を用いた観察を行いました。叩解していない紙ではすぐに破れてしまうことが分かり、パルプ繊維の絡み合いの重要性が伝わったかなと思います。電子顕微鏡では肉眼で見ることのできない叩解による繊維のほぐれ方の違いを実際に確認しました。

3日目にはパルプにザンテート化と呼ばれる処理を施すことでセルロースナノファイバーを得る操作を行いました。また、セルロースナノファイバーを利用した固体分散体による疑似水溶化を行いました。

ザンテート化セルロースナノファイバーは数十µm単位の繊維系のパルプを数nm程度まで簡単に解繊できるようになる画期的な技術です。また、置換基が容易に脱離し、無置換のセルロースナノファイバーが得られるという特徴を持ちます。

機械解繊により透明な分散液へと変化する様子を観察しました。

固体分散体を用いた疑似水溶化では吸光度測定の原理の勉強となぜ、溶けるようになるのかを講義しながらセルロースナノファイバーの特性について理解を深めました。

最後に、セルロースナノファイバーの疑似水溶化を用いて何ができるかを考え、発表する課題に取り組みました。

活発に議論が交わされながら意見がまとまり非常にスムーズに発表が進行しました。

高校生たちから我々も良い刺激をもらえました!